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人事評価制度をやめてしまう理由 その3

賃金表をご存じでしょうか?

通常、横軸に1等級、2等級、3等級、・・・6等級くらいまで、縦軸に、1号俸、2号俸、3号俸・・・30号俸くらいまで、等級ごとに基本給(号俸があがるにつれて基本給もアップします。)を記載した表です。

この賃金表の使い方は、例えば、S評価であれば4号俸飛び越してその額が基本給となります。1号俸 180,000円、ピッチ2,000円であれば5号俸(1+4=5)188,000円になります。A評価であれば3号俸上がり、B評価であれば2号俸、C評価であれば1号俸、D評価であれば昇給なしと決めておきます。

会社の経営がうまくいっているときは、この賃金表は使えますが、会社の経営がうまくいかなくなると、この賃金表は使えません。優秀な社員であってもS評価は出せません。また、如何に頑張った社員がいてもS評価は出せなくなります。会社の昇給原資が不足してしまうからです。

あるいは、本当は社員のみんなが頑張ったので、社員全員にS評価を出したいのですが、みんながS評価で4号俸上がるための原資がありません。

そこで、次第に賃金表は使われなくなり、人事評価制度もやめてしまうようになります。

当社の従業員を育てる人事評価制度では、評価の結果をポイント制にします。ポイント単価を計算して、実際の昇給額が昇給原資に納まるようにしています。

人事評価制度をやめてしまう理由 その2

何年経っても優秀な人は優秀で、そうでない人は何年経っても優秀になっていないので、評価をする意味がなくなってしまいます。

評価制度は、社員を育てるために行うことが大切です。社員を育てるために、優秀な社員が実行していることや社長が社員にやってもらいたいことを評価項目(評価の着眼点)とします。例えば、「 明日使う道具と材料を前の日にトラックに積んでおくこと。」です。 また、「 他の社員に教えること 」を評価します。

優秀な社員は自分で伸びますし、2割しかいません。一方、大多数を占める普通の社員と優秀とは言えない社員は8割を占めます。これら大多数の社員の能力向上を図ることが、結果的に会社のレベルを大きく上げることにつながります。